
「今の業務は一体何のためか、この忙しさはどこに向かうためなんだろう、って考えちゃうんですよね・・・」
先日の研修で受講者様がおっしゃった言葉です。
変化の激しい状況下、日々対応していくだけでも大変ですよね。日頃のご苦労が目に見えるようでした。
忙しさに追われている時、変化に追いつくのに必死な時、逆に慣れた業務に意味合いを見いだせなくなった時・・・
今どこにいるのか、どこに向かっているのかわからない不安は相当大きなものかと思います。
こんな時に役に立つのが『俯瞰力』です。ビジネスでは必須とされているこの俯瞰力。
今回のこの冒頭のお困り事、俯瞰力を使って考えていきたいと思います。
俯瞰力とは客観的視点を持つこと
俯瞰力とは・・・・「高い所から下を見下ろす事」
まずは全体像を把握することで、目的地がわかります。目的地がわかると、自分が今いる現在地がわかり、その距離感も知る事ができますね。
俯瞰力を持つことで、こんなメリットがあります。
● 客観的視点で見る事で、新しい視点が持てる
● 戦略が立てやすい
● 目標に早く到達しやすい
俯瞰力で物事が考えられると、建設的に進められる為、周りとコミュニケーションも取りやすくなり、ストレス解消にもつながります。
では具体的に見ていきましょう。
例えば・・・
「売上●●●円」という目標があるとします。
これを1段ずつ階層を上げ俯瞰して考えていきます。これを「チャンクアップ」といいます。(下図参照)
・その目標は何のため?
例えば、昇進したい、実績を積みたい、信頼を得たい・・・etc
・では、達成したその先には何がある?
自信を持って活躍している自分になっている、社会に貢献できている、お給料アップ!・・・etc
次に、具体的に行う事を見ていきましょう。これを「チャンクダウン」といいます。
・具体的には何を行う?
お客様向け提案書を作成する、アポ件数を増やす・・・etc
・詳しくは?
差別化した提案書作成するために他社分析を行う、
アポ件数を1日2件増すために、業務分担をチームメンバーに相談する・・・etc
明日から動けるくらいにより具体的に詳しく掘り下げていきます。

このチャンクアップ、チャンクダウンの方程式をまずは理解しましょう。
自分自身を俯瞰して見るために大切なこと
では、冒頭のお困り事はどうでしょうか。
チャンクダウンの細かな事は日々コツコツとやっているけれど、俯瞰したチャンクアップ部分が見えていない状況でしょう。
それは何のために達成するのか?
達成したその先には何が待っているか?
ひとつずつ明確にしていく事で、モヤが晴れてきます。
この時にポイントが一つあります。
チャンクアップする時、主語はあくまでも「私」です。自分が本当にワクワクするようなことに結び付けるといいでしょう。
お客様に褒められてホクホクして美味しいお酒を飲むため!でも、給料アップして今よりも広い家に引っ越したい!でも、何でもいいんです(笑)とにかく自分がワクワクする事に結び付けてください。
俯瞰して考えるクセをつければ自分の立ち位置が見える
チャンクアップしたもっとその先には・・・・
何のために働くのか?自分にとって仕事とは?という大テーマ(これは自粛期間中、多くの方が考えた事かと思います)に行きつくことも。
絶対これ!という正解を出す、というよりは、それを考え続ける事が大切なのだと思います。
冒頭の悩みも、自分自身を俯瞰して見る事で、自分の目的がわかり、現在地が見えてきます。
そして、どうやって目的地に行くか自分で舵を取ってナビゲーションしているという実感が得られるでしょう。
自分事に腹落ちできた時、人はより強くしなやかに芯を持って動けるのだと思います。
先が見えずちょっとぼんやりした時、立ち止まって考えたい時。このチャンクアップ・チャンクダウンを行ってみてください。